公立中高一貫校の3つのタイプ
「中等教育学校」とは
公立中高一貫校には3タイプがあります。そのうち「中等教育学校」と「併設型」が中学入学時に選抜を行う私立の中高一貫校に近いタイプになります。ここでは、この2タイプの学校を中心に、公立中高一貫校がどんな学校なのかみていきましょう。
「中等教育学校」は、公立でも完全中高一貫教育を行えるようにするために、学校基本法を改正して新たにつくった学校形態です。高校募集を行わず、生徒全員が6年一貫の教育を受けるので、中高一貫教育を実践するのにもっとも適したタイプの学校といえます。公立初の中等教育学校である宮崎県立五ケ瀬の、全寮制を生かしたユニークな教育実践も、完全中高一貫教育が可能な中等教育学校ならではのものといっていいでしょう。
すでに卒業生を出した中等教育学校は、今のところは五ケ瀬のみですが、設置数は年々増えています。いずれは、魅力的な中等教育学校が全国で増えていくのではないでしょうか。
「併設型」とは
公立中高一貫校のもうひとつのタイプである「併設型」は高校でも募集を行い、高校入学時に外部からも生徒が入学してくる点が、中等教育学校との大きな違いです。中学からの内部進学生(内進生)と高校からの入学生(外進生)が交わることで、お互いに刺激を受けるので、高校受験がなく、中だるみしやすい中高一貫のデメリットを補うことができます。
ただし、公立であっても中高一貫校では先取りカリキュラムを実践する学校が多く、高校入学時点では、内進生と外進生で学力差が開いている可能性があります。この点は併設型の課題の一つでしょう。高校からのクラス編成をどうするかが問題になりますが、内進生と外進生を一緒のクラスにするか、別々のクラスにするかは学校によって違います。
たとえば、東京の白鴎や両国などでは、併設型のメリットを生かすため、クラスは別々にせず、学力差がつきやすい数学や英語などの教科については、習熟度別授業を実施することで対応する方針です。公立中高一貫校の多くは、このタイプのようです。
それに対して、京都の洛北や西京のように、。内進生と外進生ではカリキュラムが違うため、クラスを別々にして学習する方針の学校もあります。この場合、内進生は中等教育学校に近い教育を受けられると考えていいでしょう。
「連携型」とは
公立中高一貫校のうち「連携型」については、通学区域が従来の公立中学同様で、対象となる人はごく一部に限られますが、公立中高一貫校の半数以上は「連携型」です。
連携型は、「中等教育学校」や「併設型」と違って、中学と高校がひとつの学校ではありません。区市町村立の中学と都道府県立の高校という別々の学校が、教育課程の編成や教員・生徒間の交流などの連携を深める形で一貫教育をおこなうものです。しかも、1校の高校に対して連携するのは中学1校とは限りません。なかには中学6校が連携するケースもあります。
連携型の多くは、過疎地域にある学校で、地元の中学生が地元の高校に多く進学することを期待して公立中高一貫校を設置しています。主に郷土学習など地域に密着した教育で連携し、地域の将来を担う人材の育成を目的としています。ただし、なかには東京のような大都市でも、連携型の公立中高一貫校を設置している自治体もあります。